人材不足に悩む介護業界の実態

介護業界の有効求人倍率は、平成22年の1.38倍から平成25年の2.00倍と年々上昇する傾向にあります。
平成12年に55万人だった介護職員数も、15年後の平成27年には167~176万人になり、数字だけを見ると介護職員の人材は十分に足りているかのようです。
しかし、少子高齢化社会の日本では年々高齢者の人口が増え続けており、ライフスタイルなどの変化に伴い、高齢者向けの施設や介護サービスへの需要が高まっています。
さらに、介護現場では職員の定着率が低い傾向にあり、人材の確保に苦戦していることが業界の有効求人倍率の高さから窺えます。

ですがその一方で、平成37年には団塊の世代が全て75歳以上となり、約237~249万人の介護職員が必要と考えられています。
超高齢化社会を目前にして、介護職員をどのように確保していくのかは業界全体の課題であり、行政だけでなく介護事業所や福祉団体などが様々な対策を実践中です。

例えば、離職した介護職員の再就職を積極的に行うなどは、その対策の一環です。
一旦何らかの理由で介護職を離れてしまった人を、介護の現場に再就職させようというもので、知識や技術を再確認するための研修の実施を行政や介護事業者などで行ったり、マッチング支援の実施がハローワークや福祉人材センターなどで積極的に実践されたりしています。

また、各都道府県でもキャリア支援専門員を設けて、介護施設の人材確保に関する開拓の提案や資格取得などに関する相談に対応できる仕組みも構築されています。
このような取り組みは、今後ますます増えると予想されます。